小木を後にして向かったのは真野町にあるスペインバル。 昨年訪れた際、途中手に取って買い求めたローカル雑誌紹介されていたのをきっかけに知ることになった。
昨年は実店舗ではなく、出張店舗で「ボカディージョ」をテイクアウトして買い求め、ほんのわずかの時間だったが、カミーノネタで話が弾んだ。 それ以来、インスタグラムでその様子を知る程度だったが、今回の佐渡では是非実店舗に行ってみたいと考えていた。 真野町の目抜き通りの古民家を改装して2020年にOPENしたそうだ。

店の前にいったんバイクを止め、店の中を覗き込み駐車場所を尋ねると、5秒後奥様が、「中村さん!!??」と気づいてくれた。
ほんの1度しか会ったことがないのだが、まさか名前まで覚えてくれていたのには感動した。 接客業とはこうではくてはならない。
指定の駐車場にバイクを止めて、店内に入ると、そこはまさにスペインバルだ。 特別に夜メニューを用意してもらえることになり、いくつか「タパス」をオーダーした。
ご主人の仕事の丁寧さがうかがえる、実に洗練された品々に感動する。



気分はスペインカミーノ。 ご主人は単独でフランス人の道を2回も歩き、夫婦でも歩いた経験がある。
私はブルゴスから70KMのフロミスタまでと、サリアからコンポステラまでの114KMのほんの一部だが、互いの経験を振り返りながら、大いに話が弾む。 ゲストと同じ話題で場が盛り上がることはまったく珍しくはないのだが、この盛り上がりような何なのか?
23年の宿屋の経験からしても、旅した先の経験談でこれほどまでに共感しあい、話が楽しく感じたことはあまり記憶がない。
それほどまでにスペインカミーノは人々の人生に大きな影響を与え、旅したことのある人はどこかにカミーノの経験を拠り心にして生きているのだろうと思った。
そしてまたいつか再訪してみたいと心から思った。

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