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プレミアムランチ@食堂車・ダイナープレアデス |
新大阪を出た列車は時速100kmほどの速度でゆっくりと北へとへ向かいます。 新快速が130キロなので、非常にゆったりとした滑らかな乗り心地です。 もともと静粛性に秀でた24系客車なので、東海道線の重軌条路線での乗り心地はピカイチといえます。
殊に、4号車のサロンカーの乗り心地は抜群です。

この日は団体客もなく、常時静かなサロンカー。極上の空間が札幌までひたすら続きました。
しかも敦賀まで運転担当する運転士の腕が良く、停止、発進の振動が程よく抑えられています。 特に発車時の振動は、停止操作の瞬間の微調整がモノをいい、運転する人の癖が現れるものです。 しかし、鉄道ヲタクではない、妻や妹までが異口同音に「敦賀までの人は上手やった」と口にしていました。
電車と違って、動力が先頭の機関車に集中しているので、ある程度の衝撃はやむをえない部分もありますが、大阪駅で助士席側でファンサービスに徹していたあの若い運転士さんは、ファンサービスだけでなく、運転操作にも長けた職人だったのでした。
西大路付近で上りトワイライトエクスプレスとすれちがい。

京都を過ぎると列車は湖西線にさしかかります。 うす曇の比良山麓を左に、かすむ琵琶湖を右に望む頃、ランチタイムがはじまります。
食堂車を連結、営業している列車は日本国内にはわずか3本しかありません。
カシオペア 北斗星 そしてトワイライトエクスプレス
しかし昼食を提供しているのはこのトワイライトエクスプレス、しかも札幌に向かう下り列車のみです。
「下りのトワイライトではランチを食べるべし」
もはやトワイライトファンの常識でもあります。
しかし13時の営業開始と同時に席が埋まってしまう人気ぶりで、28席しかない狭い店ゆえ、営業開始前の行列が必至です。8人の家族全員で一度に座席を確保すべく、12時45分に列に加わりました。
幸い13時開店で8席を確保することに成功、それぞれ好きなものを注文。
妻はマカロニグラタン
 手の込んだ濃厚なホワイトソースは、さすがにホテルテイスト。贔屓目ではなく本当に美味なる一品。
ビーフカレー
 フルーティーな味わいとコクに、一口ほおばった瞬間、違いを実感。カレー好きも納得するはずです。
オムライス
 名物オムライス。トワイライトのランチメニューの最大人気だそうです。 しかしその訳は食べてみて納得。家庭の味とは明らかに異なる、これまた「ホテルテイスト」でありました。
私はシーフードフライセット

パンもホームメイド風な一品で、暖かい状態でサーブされるのがGOOD。
 マーガリンではなく、バターなところがスバラシイ!!
コーンポタージュスープも納得。

サラダ

楽しそうなランチタイム。動画でもどうぞ。
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中村家のリビングルーム 1号車1番 |
ランチが済む頃、列車は北陸トンネルへ。全長13800mの在来線日本最長の山岳トンネルです。 サンダーバードならここを8分弱で通過しますが、足の遅いトワイライトは10分ほどかけて通過します。
冬季なら、「トンネルを出るとそこは雪国」の世界が広がることも珍しくはない、福井県の嶺南/嶺北を分かつトンネルです。
この後はサロンカーと展望スイートを行ったり来たり。
 倶利伽羅峠付近にて。
グッズ販売にも熱心で、ついつい財布の紐も緩みがち。
子供たちにはステーショナリセットのほか、自家用にシュガーポット、ハンドタオル、オレンジカード、クリアファイル、メモ帳、その他諸々たくさんお買い上げ。
マドレーヌと珈琲がティータイムのお供となりました。

そして17:30頃、列車が糸魚川を通過する頃、食堂車にてディナーの準備が整ったとの放送が入り、おじいちゃん、おばあちゃんが部屋を後にしました。
そう。これから1時間30分は木島平組と大阪の妹合計6人に占領されることになるのです(笑)


列車はまもなく直江津へ。 列車名の由来となる黄昏時(トワイライト)が車窓に展開する極上のひとときでありました。
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客車列車ならではの特別な儀式 |
直江津には定刻に到着、ここで運転士交代、大阪から4人目へバトンタッチです。
運転士は昔は機関士と呼ばれ、電気機関車にも運転士のほかに機関助士が乗務していました。 車掌は2人乗務していますが、国鉄時代の寝台特急全盛時には6-7人もの車掌が乗務していました。
車掌長 専務車掌 乗客専務
じつに様々な呼称があったようです。
トワイライトエクスプレスの車掌は大阪車掌区の2人が青森まで乗務しますが、実は大阪車掌区においてトワイライトに乗務できるのは、厳しい審査を経て選ばれたほんの一握りの人でしかないそうです。
その一握りの車掌のひとりが、1号車に乗務する藤井車掌。 直江津駅で、発車までの一連の所作をビデオに撮らせてもらいました。
トワイライトエクスプレスの走行する1500kmの長丁場のおよそ1000kmを牽くのがEF81型電気機関車、津軽海峡線専用のED79型交流電気機関車、五稜郭から札幌まではDD51型ディーゼルエンジン機関車です。
動力が分散して搭載されている一般の電車と違い、乗客の乗る緑色の客車部分には動力は存在せず、先頭に立つ機関車によって「引っ張られ」ています。
機関車は車掌とは完全に隔絶されているために、乗務員間の連絡はすべて無線機によって行われます。 1号車の車掌がドア閉め操作を完了すると
9号車車掌が 客車側面のドア開赤色灯消灯を確認(側灯よし) 車掌室内の全ドア閉めランプ点灯確認(全閉灯よし)
を乗務員間専用トランシーバーで1号車車掌に連絡
1号車車掌が同じく、「側灯よし」確認、「全閉灯よし」確認。
続いて414MHZ帯のCタイプと呼ばれる別のVHF無線機で運転士に発車合図を送ります。
絶滅寸前の客車列車でしかみられない儀式なのです。
私の持っているアマチュア無線機の受信機能を使って交信の様子を聞くことができました。
北海道・五稜郭似て収録
下り8001列車運転士さんどうぞ
8001列車運転士ですどうぞ
8001列車発車!
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黄昏時~闇夜。ねぐらの準備と静寂のサロンデュノール |
直江津を出るといよいよ日没を迎えます。
上越高田の日没時間はちょうど18時。列車が日本海沿岸に差し掛かる頃、まさにトワイライトの中を列車が北へと少しずつ歩みを進めていきます。 電車特急よりも遅い100~110kmの速度域で、モーター音が聞こえてこない静かな車内です。
特にサロンカーの静粛性は信越線区間に入ってもピカイチでして、閑散期はBコンパートに席を確保し、ひたすらサロンカーで寛ぐというのもまた賢い選択肢といえるかもしれません。

パブタイムが始まる前に、いつ寝てもOKなように、ベッドの用意。 スイッチひとつで上段ベッドが下に下がってきます。

そして20時から予約しておいたシャワータイム。 シャワールーム使用時間は30分ですが、お湯の出る時間は6分。

英時&私 春花&お母さん
の2組に分かれてまとめて浴びました。慣れないと「たったの6分?」と思われがちですが、途中で止めればカウントされませんので、意外と事足りるものなのです。
おじいちゃん、おばあちゃんはまだまだディナーの真っ最中。なんせ1時間半もかけてゆっくり楽しむフルコースなのですから。。。。。 サロンカーと1号車を行き来するには食堂車を通らねばなりません。長話は失礼なので、通り過ぎの振り向きざまに、さっと写真を一枚だけ。お邪魔しました!

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パブタイム@ダイナープレアデス |
ディナータイムは予約制のフルコースのみですが、21時からは予約不要のパブタイムが始まります。
これに備えて、夕食は大阪駅であらかじめ仕入れていたおにぎり二つだけ。
ディナーを満喫した両親はすでに部屋に戻って眠りについていたので、我が家と妹の6人で食堂車へ繰り出すことにしました。


まずは飲み物。 大人はビール。子供はコーラ。
カンパーイ!!!
腹をすかせた一同、手当たり次第に注文しまくりです。(笑)
カマンベールチーズ

ビーフピラフ

ソーセージ盛り合わせ

但馬地鶏の唐揚げ

行者にんにくと蛸のスパゲッティ

スモークサーモン

自家製ピクルス

どれもこれもハイレベルなのはいうまでもありませんが、ワタシ的にはビーフピラフが一番だったかもしれません。
開店と同時に着席し、食堂車を後にしたのは22時過ぎの酒田駅発車後。注文できる軽食類はすべて注文、ビールも3杯飲み干し、実に楽しい今宵のひと時でありました。
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深夜の青森駅 |
パブタイムが終わると、サロンカーでまったり。
列車はやがて秋田県へと分け入り、さらに北上を続けます。
子供たちと大阪の妹は3人で、「限界まで起きておく」と気合が入っていましたが、お母さん、そして私は、秋田停車の手前でノックアウト、5号車の「自宅」に戻りました。
しかし
5号車の1&2番は、B個室の2部屋を間仕切壁をたたんで1つの部屋にしたものなのですが、たたんだ壁の収納と固定が中途半端ゆえ、曲線区間の多い羽越線ではガチャガチャ音を立てます。

お世辞にも安眠できたとは言えず、少々辛いものがあります。しかも台車の真上の区画ゆえに、普段からの振動もモロに受ける場所なので、これもちょっとマイナス。
羽越線、そして江差線区間での乗り心地を考慮するならば、車両中央部付近を選んで乗るのがいいでしょう。
いったん眠りについた私ですが、青森駅停車前に覚醒状態となり、再びサロンカーへ。
なんと子供たちはまだ妹とおしゃべりに夢中。
時は2時15分でありました。
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北海道上陸 |
海峡線ではいったん静けさを取り戻した5号車1番でしたが、江差線では再び横揺れが激しくなり、起床せざるを得ず。
サロンカーの大窓からは、薄明の函館山が見え隠れし、五稜郭到着が近いことを知らされます。
無理やり起こされた感は否めず、皆まだまだ眠気まなこ。 2時半までおきていたのだから仕方ありませぬ(笑)

五稜郭を発車する頃には若者組が全員サロンカーに集合。
七飯からの通称「藤城線」の上り勾配からは車窓左手に北海道らしい広大な眺めが展開します。
この景色には、今から25年前の1988年2月に、生まれてはじめて特急「日本海」に乗り、そして廃止間近の青函連絡船で北海道初上陸を果たしたときに遭遇したのが初めてですが、当時受けた衝撃は、いまなお鮮明です。
本州では考えられない広大な原野に家が点々とし、真っ白な雪原が最果ての北の大地を印象づけてくれたものです。
もちろん、北海道全土には、コレよりも遥かに大陸的な風景が 点在しているのですが、北海道初体験としては充分過ぎるシーンでありました。
そんな光景は今も昔もほとんど変わることがありません。
大沼はいまだに全面氷結。

駒ケ岳の美しい姿が一望できました。
駒ケ岳が車窓の後方に過ぎ去るころ、1号車1番へ朝のご挨拶。


本州北陸の光景とは全く違う、原野の中を2本の鉄路が後方彼方へ伸びていきます。


大都会から、田園地帯、そして北の大地。 時間の経過とともに移り行く全く異なる光景を楽しめるのが、このトワイライトエクスプレスの醍醐味です。
おじいちゃん、おばあちゃんに話を聞いたところ、海峡線で機関車が付け変わった後は、機関車の走行音がかなり気になったとのこと。特に木古内より先でのゆれは、線路のカーブもあいまってかなり激しかったとの由。
「札幌発だったらかなり辛いな」
とこぼしておりました。(笑)
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朝食@ダイナープレアデス |
6時45分からの朝食は8人一斉時間で予約していました。
朝食の制限時間は30分と少々せわしないのですが、せっかくの食堂車なのですから、迷わず朝もここで食べると心に決めていました。

ひでときは昨夜の暴食がたたって、ハムを一口食べただけでダウン。 おいこら!1575円もするだぞ!(笑/怒)
春花は元気いっぱいなるも、食べるのが遅すぎて、タイムーオーバーで、追い出されるように(?)退場。


でも。 このスクランブルは、下手なホテルのスクランブルよりもずっと美味しいんですよ。ホント。

4月以降、朝食が劇的リニューアルしたようで興味津々。
食べたいな。。。。。。
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終着札幌へ |
朝食後はいったんみんなでサロンカーへ。

そして荷物の整理のため、いったん自宅5号車へ。。

お腹の調子を悪くし、睡眠不足もたたって寝込むひでとき。

最後に1号車1番に全員が集結し、私はひたすら後方展望の動画をとりまくり。
定刻の9:52、長いようで短かったトワイライトの旅がここに終了。

食堂車の女性スタッフと、JR北海道の車掌さん

先頭の機関車前で。

それはそれは楽しい、楽しい22時間でした。
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