先日飯山高校の文化祭に出かけた折、校内の図書室で見つけ、つい読み入ってしまった本を先日ブックオフで見つけて買ってきました。

芸能人がつかう「XXさんと結婚させていただきます」 国政選挙演説で立候補者が使う「この街をくまなく歩かせていただきまして云々」 就活生が「大学ではXXを勉強させていただいておりました」
本来の敬語としての用法から、妬みや批判を回避し保身する目的て使われたり、過剰に遜り何らかの利益を得る目的でつかわれるように変化してきた非常に便利な言葉であります。
私は可能な限り使わないよう気を付けていますが。
「させていただく」法が多用されるようになったのは1990年代からだそうですが、今から23年前、宿を開業する前、観光バス会社でバイトしていた時に、20歳前後の超若者相手に敬語作法の講師?をしたことがあります。
出発後まず車掌(ガイド)がこんな風に挨拶をします。
本日はXX観光バスをご利用いただき、ありがとうございます。 これよりXXに向けて.....云々。
若い人の中にはこんな言い回しを多用する人がいました。
― これより目的地のXXにバスを向かわさせていただきます。
敬語を知らない若い人にありがちな、とりあえず何でも「させていただきます」と言っとけば何とかなる的な用法といえます。
― これより目的地のXXへとバスを進めてまいります。 もしくは ― これよりバスは目的地のXXへと向かってまいります。
などと表現するのが自然だよと指導したのをよく覚えています。
就活を控えたイマドキ大学生にも非常によくあるパターンで、どこかのテレビのインタビューで、「大学では何内を勉強している」と言えばいいものを、「大学ではxxを勉強させていただいておりまして云々」と話していたのに非常に違和感を覚えました。
大学で勉強していることが、どこかの団体に特別な許可を得て特例的に行われているものならまだしも、単に一学生として勉学に励むぶんについてはわざわざ「させていただく」などと遜る必要もありません。
ただ、親御さんに金銭的援助を受け、
「親に大学にいかせてもらって感謝している」とい表現するのは至って普通のことではあります。 ただ、「行かせていただいて」と第三者に表現するのはマヌケですが。(^^)
なにかにつけて「させていただく」があふれる日本社会。
どの世界においても不意の炎上にビビりながら保身しつつ、閉塞感の中で社会生活を送る日本国民の性がよく表れた現象なのかもしれません。
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